平塚柔道物語その43
平塚柔道協会 会長 奥山晴治
2010年1月1日

43.平塚柔道物語・その43

全日本柔道体重別選手権大会で準優勝 浜岳中出身の東海大渡邊美樹選手

 浜岳中学校の柔道部の練習で、真田教師の指導訓練を受け、成長していった選手が多い。 その中で、人並みはずれた筋力と明るさを兼ね備えた女子生徒がいた。彼女の名は渡邊美樹。現在は東海大学1年の選手である。 その彼女が、誰もが目を見張るような大舞台で大きな活躍をしたのである。

 それは、11月14日、千葉市のポートアリーナの会場で行われた講道館杯全日本体重別選手権大会52kg級で、 何と日本第2位・準優勝の栄冠を勝ち得たのである。

 この大会は、実業・警察・大学などの各分野で優秀な成績を収めた選手(29名)が集う国内の最大規模の大会で、 来年の世界柔道選手権大会日本代表の第1次選考会を兼ねた重要な大会であった。

 彼女がこの大会に出場するための条件としては、まず東海大柔道部(52kg級)の中でトップにならなければならない。 それでも、各県から集まった強豪の仲間や先輩たちの中で1年生でありながら、堂々と代表権を獲得した。

 そして迎えた大会の当日は、彼女としては初出場。プレッシャーはなくスッキリした気持で出場したのだった。 始めの1回戦の相手は、優勝候補の一人、広島大学4年生・3段の森本奈々美選手である。美樹選手は2段。 彼女とどこまで戦うことが出来るのかと誰もがそう思っていたという。しかし、いざ勝負となると分からないものである。 彼女は押しも押されぬ堂々とした戦いぶりを展開していったが、後半になって何と抑え込みで一本勝ちしてしまったのである。 美樹選手はこの試合で大いに自信を持つことが出来た。

 「これから思う存分暴れてみるか」と、彼女特有の闘争心が出てきたのである。人間は、自信を持つとさらに力が出てくるものだ。 2回戦は警視庁の3段の選手を破った相手を「すくい投げ」で1本勝ちし。3回戦(準々決勝)にのぞんだ。 さらに、自衛隊体育学校の選手を「小外返し」で「技あり」をとり優勢勝ち、いよいよ準決勝になったのである。

 まさかここまでくるとは誰もが予想していなかったのではないだろうか。準決勝の相手は、今までの相手とは違う強敵である。 52kg級の現学生チャンピオンであり、ジュニア(20歳未満)の世界チャンピオンなのであった。 山梨学院大学1年生の若さで柔道雑誌にも取り上げられ、「組んだらすぐ投げるのが自分の柔道である」と豪語しいてた選手である。

 美樹選手は、この試合に勝てば決勝にいくことができる。何とか勝ちたいと思った。いや、絶対勝つのだと腹を決めたのである。

−以下次号−



写真は、第36回全国中学校柔道大会(平成17年8月)
−名古屋市総合体育館レインボーホール−
女子個人戦52kg級第5位
神奈川県代表・浜岳中学校 渡邊美樹選手


(HIRATUKA 市民ジャーナル 連載記事より抜粋)

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